皆さん、「地震のあとに浴槽に水をためておくといい」という話、聞いたことはありますか?
これは阪神・淡路大震災の経験から広まった防災ハックのひとつで、私も「備えとして覚えておこう」と思っていました。
でも最近、この方法はあまりおすすめされていないということを知りました。
今回はその理由と、今おすすめされている水の確保方法についてお話しします。
「地震がきたらお風呂に水」って危ないの?その理由を解説
1. 余震で水があふれ、排水できずに逆流することも
浴槽に水をためた状態で余震が起きると、ためた水があふれて排水口に流れ込む可能性があります。
地震の影響で配管がずれていたり破損していると、うまく流れずに詰まってしまい、逆流や水漏れの原因になることもがあります。
2. 浴室の構造が不安定になっている可能性
地震の揺れで、浴室の壁や床がゆるんでいたり、破損していることもあります。
そんな状態で水をためると、さらに重みがかかって危険が増す場合があります。
3. 小さなお子さんがいる場合は事故にも注意
目を離したすきに浴槽へ転落してしまう事故が起こる可能性も。
とくに停電中などは視界が悪くなりやすく、普段以上に注意が必要です。
浴槽の水は使える?生活用水にするときの注意点
浴槽にためた水は、飲料水には適していません。
生活用水として使う場合にも、以下のような注意点があります。
- 浴槽は清潔とは限らず、雑菌やぬめりの原因になりやすい
- 換気が難しい状態での長期保管は不衛生になる
- 使い切らずに残ってしまうと、捨てる際にも配管トラブルの可能性がある
ゴミ袋で水をためる方法とは?備えとしておすすめされている理由
最近では、ゴミ袋を使って生活用水を確保する方法が注目されています。
やり方の一例
- ご家庭にある大きめのゴミ袋を二重にして広げ、水をためる
- 必ずしも浴槽である必要はなく、安全が確認できた場所や床が安定している場所で行う
備蓄した水はどう使う?保存期間とやってはいけない使い方
ゴミ袋にためた水の使い方
生活用水として以下のような用途にとどめるのがよさそうです。
- 手や顔を洗う
- 身体を拭く
- 少量の水で髪を洗ったり拭いたりする
ペットボトルの備蓄水が底をついた場合など、やむを得ずためた水を飲料や調理に使う際は、必ず煮沸するか、簡易浄水器などで濾過してから使用するようにしてください。
ためた水を使う際の注意点
- 使用前に必ず袋の破損がないか確認する
- 常温保存は長くても2〜3日以内が目安
ゴミ袋は完全に密封できるわけではないため、空気に触れて塩素が抜けやすいという弱点があります。
そのため、ためた水は2〜3日以内に使い切るのが安心です。
やってはいけない使い方
なお、ためた水をトイレに流すのは、配管が壊れている可能性があるため推奨されていません。
状況によっては、下水が詰まりトイレから汚水が逆流してしまうこともあるとされています。
詳しくは、国土交通省の防災パンフレットをご確認ください。
まとめ:浴槽よりも安心な水の備え方を考える
「地震のあとは浴槽に水をためる」という方法は、今では必ずしも安全とは限らないと知りました。
代わりに、ゴミ袋を使って、より安全に生活用水を備える方法があります。
ちょっとした知識でも、備えの質は大きく変わるもの。
無理なくできることから整えていけたら、きっと安心につながると思います。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
参考リンク:
- https://www.astomos-retailing.com/lifeup/lifetopics01_21.html
- https://sonaeteru-pegasus.jp/howtodo_water_outage/
- https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202204/0015249496.shtml
- https://toyokeizai.net/articles/-/797413?page=3
- https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/saigai/yakudachi/food/drink/1240038460385157120.html