避難所に毛布やマットはあっても、枕までは用意されていないことが多いそうです。
正直、私もそれを知ったとき、
「いや、ないと寝られないでしょ…」と思いました。
命を守る備えももちろん大事。
でも、こういう“あって当たり前”のものがないだけで、避難所生活がぐっとしんどくなる気がします。
枕が「後回し」になってしまう理由
避難所に備えられる物は、まずは命に関わるものが優先されます。
食料、水、毛布、トイレ、マットなどが中心で、枕は「なくてもなんとかなるもの」として扱われやすいようです。
たとえば、船橋市の備蓄リストを見ても、枕の記載はありません。
国のガイドラインでも、優先されているのはパーティションや段ボールベッドなど、“寝床の土台”の整備です。
だから、毛布やマットは届くけれど、枕がないという状況は、命を守ることが最優先になる災害時には、当然なことかもしれません。
でも、なくて困るのは“首の支え”
眠ろうとしても、なんだか首が定まらない。
変に力が入って、肩までガチガチ。
明け方には目が覚めてしまって、疲れも取れない…
そんな夜が、ちょっとした工夫でラクになるとしたら。
それって、避難生活の中ではすごく重要なことだと思うんです。
現場でできる「即席まくら」3選(道具すくなめ)
実際の防災マニュアルでも紹介されている、その場でまくら代わりになる工夫です。
どれも、特別な道具は使いません。
▷ポリ袋+空気+タオル
ポリ袋に空気を1/3〜半分ほど入れて口を結び、タオルで包みます。
空気の量で高さを調整できるため、クッション感のあるまくら代用として活用されているようです。
(出典:東京防災)
▷衣類ロール+袋+タオル
Tシャツやフリースなどをくるっと丸めて袋に入れ、タオルで包むだけ。
中身の量や素材で柔らかさも調整しやすい方法です。
▷体育館のボール+タオル
体育館などにあるやわらかいボールの空気を少し抜いて、低めに調整。
その上にタオルをかけて使います。
「即席まくら」の一例として、防災マニュアルでも紹介されています。
(出典:東京防災)
▷衛生面のひと工夫
顔に触れるタオルは、できるだけ清潔な面を外側に。
湿ってしまったときは、干して乾かすだけでも安心感が変わるようです。
持ち出し袋に入れておきたい「安眠ミニセット」
少しでも体を休められるように、リュックのすき間に入る小さな安眠セットを用意しておくと安心です。
- 旅行用エアピロー
コンパクトで軽く、空気の量で好みの高さに調整できます。 - アイマスク
明るい場所でも、目を閉じて落ち着きたいときに。 - 耳栓
周囲の音が気になるときの、ちいさな安心。 - フェイスタオル×2
まくら代用、清潔保持などに。何枚あっても助かります。 - ジッパー袋(数枚)
清潔なものと使用済みを分ける/小分け収納などに便利。 - 断熱マット(アルミ/発泡など)
床の冷たさや硬さから体を守ってくれます。
ちなみに、日本赤十字社でも、こうしたアイテムを含む「安眠セット」が備蓄されています。
“眠れること”も、災害時の大切な備えとして考えられているのかもしれません。
あると安心な、ちいさな備えのリスト
- 旅行用エアピロー
- アイマスク
- 耳栓
- フェイスタオル×2
- ジッパー袋(小分け・清潔保持)
- 断熱マット(アルミ/発泡)
最後に:なくても何とかなる。でも、あるとラク。
枕がなくても、命は守れます。
でも、体も心もギリギリのときに、少しでもラクに眠れる場所があることは、とても大切なことだと思います。
大きな備えじゃなくていい。
ポリ袋とタオル。小さなエアピロー。
その小さな工夫が、避難所で少しでも体を休める助けになるかもしれません。